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世界中で活躍する「行動人」

2024年5月

文:

メキシコ

ヌエボサンタンデール・ロータリークラブは、米国との国境にある町ヌエボ・ラレドの低所得地域にある学校にコミュニティキッチンを作り、何百人もの子どもに食事を提供しています。「この地域では、ほとんどの家庭に水道や電気がありません」と同クラブ会長のホルヘ・テヨさんは言います。同クラブは2018年に15万ドルのコミュニティキッチン・プロジェクトを立ちあげ、コメドールサンタマリア学校で2020年8月にコミュニティキッチンをオープンしました。コロナ禍により当初は持ち帰りのみでしたが、2021年5月に食堂もオープンしました。「毎日230人の子どもに朝食と昼食を提供するのに、運営費が9,300ドルかかります」とテヨさん。その資金は企業や個人からの寄付金でまかなっています。クラブ会員が運営を監督し、ロータリアンがキッチンにソーラーパネルを提供しています。

米国

「ビバ!ビエナ!」フェスティバルは、特別イベントを通じて住民や地域団体を活性化させる手本となっています。1990年代半ばにこのプロジェクトを開始したビエナ・ロータリークラブ(バージニア州)会員のガンナー・スパフォードさんによると、メモリアル・デー(戦没将兵追悼記念日)の週末にワシントンD.C.郊外で開催されるこの催しは、料理、ウクレレ演奏、プリンセスの衣装を来た女性たちの歌唱などで、命を落とした兵士を弔う一大イベントへと成長しました。2023年には6万人が来場し、集めた総額は23万ドル。中でも一番大きな収益を上げたのは、移動遊園地の利用料からの約13万ドルでした。次に収益が多かったのは業者の出店料で、フェスティバルのメイン会場である都市公園に近ければ近いほど料金が高くなります。ほかのロータリアンにも「ビバ!ビエナ!」の募金力を実感していただける機会になると思います」とスパフォードさん。

  • 30.00,000食以上

    2023年にコメドールサンタマリア学校で提供された食事の数

  • 14.00世紀

    「フェスティバル」という単語が誕生した時代

オランダ

2023年、数千人のロータリー会員が、オランダのロータリー100周年をこの国ならではの方法で祝いました。それは自転車ツアーです。それもただの自転車ツアーではなく、荷台付き電動自転車で1年かけて走る約5,000キロの旅です。リレー式のこのツアーでは、参加者が交代で自転車に乗り、国内の約500ロータリークラブの大半を訪れました。1月にホルガー・クナーク元RI会長、地区ガバナー、そのほか約1,000人が出席する中、アムステルダムのオリンピックスタジアムでツアーが開幕。12月にジーランド州でゴールを迎えた際には、ロータリアンたちは森林の生態系に基づく食料栽培の一種である「食べられる森づくり」(フードフォレスト)で植林しました。第1580地区の直前ガバナーであるマデロン・シャープさん(アムステルダム・ズイド・ロータリークラブ所属)は、次のように述べます。「電動自転車ツアーと植林を通じて、環境というロータリーの重点分野について多くの人に知ってもらうことができました。このプロジェクトでロータリーが世間の注目を浴びました」。シャープさんはまた、「クラブのつながりと団結が促され、予想外の大きな成果が得られた」と言います。

アルバニア

ドゥラス・ローターアクトクラブは12月、アドリア海沿岸の町で、30の貧困世帯にケアパッケージを届けました。同クラブ会長のゲリ・エミリさんは、どのパッケージも家庭ごとのニーズに合わせて用意したもので、このアプローチがプロジェクトの成功に大きく寄与したと言います。ローターアクターたちは、世帯の人数、性別、健康ニーズに関する情報を集めた上で、金銭や現物の寄付を通じて確保した物資をパッケージに詰めました。このケアパッケージのほかに、パネトーネというクリスマス用の菓子パン、レモネード、果物と野菜、衛生用品、洗剤、児童書、おもちゃ、衣類、家電、家具なども配布しました。この援助は「ささやかであり、家庭の問題を解決するものではありませんが、地域住民との関係を深めることが目的です」とエミリさんは言います。

  • 35.00,000キロ以上

    オランダの自転車専用道路の全長

  • 紀元前620.00年代

    ドゥラスが建設された年代(当時の名はエピダムヌス)

ブルンジ

複数の大陸にわたるロータリー会員の協力によって、ブルンジの一人の子どもの脊椎手術が実現しました。マイッサという名のこの少女は、早期発症型の脊柱側弯症(脊椎の湾曲)を患っていました。ブルンジで活動するベルギー人外科医のチームはマイッサが緊急手術を必要すると診断しましたが、国内でこの手術ができる医師が見つからず、家族には国外で手術を受けさせる経済的余裕がありませんでした。そこで医師たちは、医療ミッションのコーディネーターを務めた経験のあるピエール・デ・フリーントさん(ガンドマリタイム・ゲントヘイヴン・ロータリークラブ所属)に連絡を取り、費用を抑えるためにインドから外科医を募るよう援助を求めました。手術を必要とする少女の話は、ロータリー財団グローバル補助金を利用してインドの脊椎財団の活動を支援しているエルス・レイナース・キニさん(ムンバイソボ・ロータリークラブ所属)に伝えられました。11月には、アパイ・ネネ医師とハーシャル・バブラル・バン医師の二人が自費でブルンジに赴き、マイッサさん(現在6歳)に最初の手術を行いました。ブルンジでの医療活動を拡大しようとしているレイナース・キニさんは、マイッサさんの母親マルティーヌ・カラボーナさんの感謝の言葉を伝えています。「マイッサが自信に満ちた女性に成長できるように新たな人生を与えてくれただけでなく、今回のことで私たち全員がとても親しくなり、今ではインド、ベルギー、ブルンジに広がる真のグローバルファミリーとなりました」

この記事は、Rotary 誌の2024年5月号に掲載されました

ロータリーのプロジェクトは世界中の地域社会で変化をもたらしています