2025年国際大会:事務総長からのレポート
進展を経て新たな目的を見出す
変化のペースがかつてないほど速いこの世界において、ロータリーはつながりを築き、引き続き奉仕を実践しています。ロータリー会員の奉仕の能力は高まり、ロータリーのインパクトはますます拡大しています。
各種プログラムでの進展

ロータリーは適応力を発揮し、プログラムと資金提供を通じて前向きな変化を促進しています。
ポリオとの闘い
現在、ポリオが常在するのはパキスタンとアフガニスタンの2カ国のみですが、油断は禁物です。2024年8月にガザでポリオ感染者が報告された際、ロータリーはパートナー団体が実施するワクチン接種活動に50万米ドルを拠出することを決定しました。政府およびパートナー団体と連携し、約56万人の子どもへのワクチン投与を支援しました。これは、10歳未満の対象人口の94%に相当します。
ポリオ根絶に向けた会員の熱意は衰えていません。4月1日現在、年間目標の5,000万米ドルのうち、2,700万米ドル以上が集まっています。さらにゲイツ財団から2倍の資金が上乗せされ、世界各地の根絶活動を支援するために活用されます。
ポリオ根絶活動について、詳しくはポリオ根絶支援サイトをご覧ください。
インドにおける持続可能な農業の支援
ロータリーは、2024年大規模プラグラム補助金の対象プログラムとして、インドにおける水へのアクセスとより良い収穫のためのパートナーを選出しました。成果が実証されているこのプログラムは、5年間で200万米ドルの資金提供を受け、インドの4州で農業従事者6万人以上の生計向上を支援するために持続可能な農業と水管理を実践します。
変化をもたらすご支援
ロータリー財団へのご寄付によって、人びとの人生を変える奉仕プロジェクトや奨学金が実現しています。これらの寄付を通じて、ロータリーはインパクトを高め、世界中で好ましい変化をもたらします。
4月1日までに、2,700万米ドル以上の地区補助金と5,700万米ドル以上のグローバル補助金が授与されました。グローバル補助金は、各重点分野に以下のように配分されました。
ロータリー財団への寄付がもたらすインパクトに焦点を置く「ロータリーを支援し 世界にプレゼントを」キャンペーンを通じて、2024年に820万米ドルを超える寄付金が集まりました。また、12月3日の「ギビングチューズデー(寄付の火曜日)」に、前年比13%増となる140万米ドルを超える寄付が財団に寄せられました。
2025年までにロータリー恒久基金を20億2,500万米ドルにするという取り組みにおいて、4月1日現在、19億米ドルを超える資金が集まっています。これらの純資産と将来における寄付の誓約は、財務的安定とリソースをもたらし、現在と未来の世代への奉仕を支え続ける力となります。
4月1日現在、財団は2024-25年度のファンドレイジング目標である5億米ドルに向け、4億2,300万米ドル以上を調達しています。
会員増強における進展

ロータリーがさらなる成長を遂げるための取り組みにも引き続き注力しています。RI理事会は、2030年までにロータリアン数を125万人、ローターアクター数を125,000人に増やすという目標を掲げています。これは、ロータリー125周年を記念する年に合わせて設定された目標です。
会員基盤の成長
既存のクラブを支援し、会員の体験を重視した新クラブの設立を推進することで、ロータリーは1,000の新クラブ設立と150,000人の新規会員という目標に向けて取り組んでいます。4月1日までに、425のロータリークラブと545のローターアクトクラブが新設され、165,000人を超える新会員(ロータリークラブとローターアクトクラブ)がロータリーに入会しました。
会員としての体験の価値を高める
ロータリーには、ロータリー親睦活動グループやロータリー行動グループへの参加など、会員としてユニークな体験ができる機会もあります。また、
世界中のロータリー会員が多様な情報やインスピレーションを得られる「Rotary」誌やロータリーの地域雑誌など、多様なリソースやツールも利用できます。これらの誌面には、ロータリー会員がツールを活用したり、世界中で行われているロータリーの活動について造詣を深めるためのコンテンツが満載されています。
今年度、以下を含む会員向けサービスが強化されました:
- ローターアクト会員は現在、短期・長期のクラブ計画を管理するためにロータリークラブ・セントラルを利用できます。このツールは、ロータリークラブとローターアクトクラブの現リーダーが3年先までの目標を入力できるよう改良されました。
- 新しい「奉仕プロジェクトセンター」は、参加者のクラブ体験の全体的な向上とインパクト拡大のための取り組みに役立ちます。会員はこのサイトで世界中のプロジェクトを閲覧し、アイデアを学んだり、将来に協力できる奉仕のパートナーを見つけたり、自分のクラブのプロジェクトとその成果を記録・管理したりできます。4月1日現在、60,971件のプロジェクト(プロジェクトの提案も含む)が投稿されています。
- ラーニングセンターでは、会員がベストプラクティスを活用して地域社会に測定可能なインパクトをもたらすことができるよう、新たな「奉仕プロジェクトの基本」シリーズなど、価値あるラーニングの機会を継続的に提供しています。また、ラーニングセンターの携帯アプリもリリースされ、会員がこれまで以上に手軽にラーニングセンターを利用できるようになりました。
ロータリーでは、rotary.org/joinを訪問する入会候補者の体験向上にも取り組んでいます。新しいシステムでは、ユーザーが近隣クラブに関する情報を確認し、自分の関心と最も一致するクラブを選択できるようになります。既存の会員も、転居を予定している場合や異なるクラブへの参加を検討している場合、会員紹介を利用したり、異なるクラブを探したりすることが可能になります。
協力における進展

ロータリーは、他団体や変革のリーダーたちと協力し、世界の緊要な課題に対する革新的なソリューションを見出しながら、ロータリーへの認識を高め、世界規模でインパクトを拡大しています。
平和構築者の育成
イスタンブール(トルコ)のバーチェシェヒル大学にあるオットー&フラン・ウォルター・ロータリー平和センターでは、同センター第1期生となるロータリー平和フェローのグループを迎え入れました。この大学院レベルの専門能力開発修了証プログラムは、中東と北アフリカに焦点を置いた平和と開発分野の専門家を対象に、高度な知識・スキル構築の機会を提供しています。
2月、イスタンブールで開催されたロータリー会長主催平和会議では、ロータリー会員や平和の専門家を含む900人を超える参加者が集まりました。参加者は、分断された世界における平和、平和構築におけるテクノロジーとメディアの活用、平和構築に影響を与える環境問題、持続可能な平和構築の方法について学びを深めました。
ロータリー親善大使との協力による参加者基盤の拡大
ロータリーでは、主な活動分野において持続可能な変化を生み出すロータリーの活動をサポートする、初のロータリー親善大使を迎えました。アーティスト、ミュージシャン、俳優、または人道活動家として活躍するこれらの親善大使は、イベントやアドボカシーなどを通じて会員や支援者と協力し、ロータリーのビジョンとインパクト拡大を支援します。
奉仕における進展

ロータリー会員は、地域社会と世界の課題に対応するため、団結して奉仕し、持続可能な変化を生み出しています。
グローバルな課題への対応
会員は、しばしば緊急の課題に取り組み、ロータリーの地球保護へのコミットメントが奉仕プロジェクトという形で実現しています。会員はまた、天然資源の保護および地域社会と環境の調和を促進するため、アドボカシー(政府への働きかけ)や資金提供だけでなく、自ら行動を起こしています。ロータリーは、アドボカシーと奉仕プロジェクトの支援に加え、環境の持続可能性の取り組みをあらゆるレベルで検証し、カーボンフットプリントの最小化に向けた方策を講じています。
会員は、短期的な成果をもたらした奉仕プロジェクトを土台として、長期的なインパクトをもたらしています。パナマでは、児童に文房具を寄贈する短期的プロジェクトが、学校にテクノロジーを統合することでデジタル格差の是正を目指す長期的イニシアチブへと発展しました。このプロジェクトは、生徒と教師がデジタル時代に成功するための手段を提供し、データに基づく成果を生み出しています。クラブはこれらのデータをプロジェクトの紹介や改善に役立てることができます。
奉仕のインパクトを向上させる
改訂された「地域社会調査の実施」の手引きをご利用いただけるようになりました。この手引きは、クラブが地域の優先課題を特定し、より効果的な奉仕プロジェクトを立案するのに役立ちます。また、クラブがプロジェクトの進捗・成果を測定し、そのインパクトを明確に示すのに役立つ「ロータリー インパクト ハンドブック」も作成されました。これらのリソースは、世界中で測定可能なインパクトを築くための役立つ情報を紹介しています。