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改革を通じてクラブを活性化

イラスト:

「あったらいいな」と思うクラブをつくる

ハリソンバーグ-ロックタウン・ロータリークラブ(米国) 

5年前、当時教師だったメーガン・シェンカー-ファルチャーさんは、ロータリーへの入会を考えていました。「まだロータリアンではなかったのですが、“超我の奉仕”というロータリーの使命を地元の人たちと一緒に実践したいという思いがありました」  

いくつかのクラブを訪れてみたものの、例会の都合があうクラブが見つかりませんでした。「教師や9時5時の仕事をする人にとって入会は難しく感じました。でも、そのような人の中にも地元で奉仕したいと感じている人はいます」

後から思えば、明らかな解決方法がありました。自分に合ったロータリークラブがなければ、作ればよいのです。これに地元の二人の女性も賛同し、知恵を寄せあって、自分や地元のほかの女性たちが理想とするロータリーの体験を生み出す方法を考えました。 

どんなクラブを作りたいのか?数カ月かけて検討を重ねました。「2019年の夏、私たちの思いやクラブ設立の理由を人びとに理解してもらい、入会への関心を高めるために情報説明会を開きました。これは、地元に本当に合ったクラブはどんなクラブなのかを、私たち自身が理解する機会にもなりました」  

こうしてハリソンバーグ-ロックタウン衛星クラブが誕生しました。会員数36人(うち女性26人)のこのクラブは、時代やニーズに即した存在であり続けるために、毎年戦略計画会議を開き、年度目標を立てています。「そのおかげで、毎年、新鮮な気持ちで前進しつづけられる」と、現在クラブ会員増強委員長を務めるシェンカー-ファルチャーさんは言います。「会員の維持だけでなく、クラブの成長につながっています」

奉仕プロジェクトのインパクトを実感できるクラブ

シンガポール・ロータリークラブ 

シンガポール・ロータリークラブの会員たちは、奉仕プロジェクトを重視しています。直前会長のジェームス・リーさんは次のように言います。「会員は皆、自分たちの寄付や取り組みが、地域社会にどんなインパクトをもたらしているかを知りたいと感じています。ですから、地元や海外での自分たちのプロジェクトの進捗や課題について、会員に常に最新情報を伝えるようにしています。また、各自が関心をもつ活動を選び、参加できるようにすることで、参加意識や帰属意識を高めています」 

このクラブは2013年から28件のグローバル補助金を提唱してきましたが、中でも代表的なプロジェクトは、インドネシアの地域社会を支援する「Help the Children」(子どもたちを助けよう)です。「恵まれない10人の子どもを支援する単発的な小さなプロジェクトとして始まったのですが、この15年間に拡大し、より多面的な支援を繰り返し行うようになりました」とリーさん。「地域や約60の学校で生徒の識字力向上や基本的教育を支援しています」 

2010年、クラブの代表者数名が、インドネシアのプロジェクト実施地を初めて訪問。それがきっかけとなり、クラブ会員とその家族が毎年現地を訪問するようになり、多い年には参加者数が80人に及びます。リーさんはこう話します。「参加者たちは、プロジェクトの恩恵を受けた子どもや先生、親たちと3日間を過ごします。自分たちの支援がもたらした変化を目の当たりにすることで、感銘を受け、帰国後にさらにやる気が高まります」 

192人のクラブ会員の出身国は22カ国。このような会員の多様性も、多くの入会者を惹きつけ、退会者が少ない理由になっているとリーさんは指摘します。「シンガポールから遠くても、自分たちが大切に感じている地域社会を支援できます。そのおかげで、会員たちは、積極的に活動に参加し、自分の故郷、または仕事上や個人的にかかわっている地域を常に身近に感じることができます」

若い世代が求めるつながりを提供

ロズウェル・アフターアワーズ・ロータリークラブ(米国) 

ロズウェル・アフターアワーズ衛星クラブは、昨年、会員数14人で結成されました。1年が経った今、会員数は22人にまで増え、クラブ会員増強委員長であるブルック・フォックスマンさんによると、今後も成長を続けられる見込みです。成長の一因は、会員同士だけでなく、会員が地域社会やスポンサークラブ(ロズウェル・ロータリークラブ)とつながる機会を提供していることです。この衛星クラブの会員たちは、スポンサークラブを「ビッグ・ロータリー」という愛称で呼んでいます。  

「新型コロナウイルス流行から世界が抜け出ようとする中で、対面での交流を求めていた20代のグループが創立会員となった」とフォックスマンさんは話します。「地域のために奉仕活動をしながら、仲間を増やし、人間関係を築きたいという若者たちが主な対象です。私たちは、奉仕を愛する若者のグループです。それこそがロータリーの土台です」 

会員の多くは若い社会人であり、ロズウェル・ロータリークラブの昼食例会には仕事上、出席が困難な人たちです。会員の都合に合わせるため、例会はアフターファイブ(クラブ名の由来)に地元の醸造所で開いています。「例会前の30分を交流の時間とし、ビールを飲みながら個人的な会話を楽しんでいます」。こう話すフォックスマンさんは、クラブ運営の中心はネットワークづくり、奉仕、楽しみであると付け加えます。   

また、スポンサークラブとのつながりを維持することによる衛星クラブへのメリットもあると、フォックスさんは言います。スポンサークラブの会員がこの衛星クラブの例会で卓話をすることもあります。「スポンサークラブ会員からのアドバイスは、私たちのような若い社会人にとって非常にありがたいものです」 

両クラブの会員は、互いの奉仕プロジェクトや活動にボランティアで参加することで、インパクトを高めています。その一つに、恵まれない子どもを支援する地元NPOのための募金行事があります。「音楽やダンスを楽しみながら、地域社会に貢献できた」とフォックスマンさん。「入会してくれそうな数人の人と出会うこともできました」

奉仕も「楽しみ」のひとつ

ハリファクス・ハーバー・ロータリークラブ(カナダ) 

楽しんでいるクラブはロズウェル・アフターアワーズ・クラブだけではありませんが、「楽しみ」にはさまざまな形態があります。 

こう説明するのは、パストガバナーで、「とても魅力的なクラブ」と自身が呼ぶハリファクス・ハーバー・ロータリークラブの会員、ルイサ・ホーンさんです。このクラブでもさまざまな親睦活動を企画していますが、真の楽しみは「自分が情熱を注ぐことへの関わりから生まれるもの」とホーンさんは言います。  

数十年の歴史をもつハリファクス・ロータリークラブとハリファクス・ハーバーサイド・ロータリークラブの合併によって2021年に設立されたこのクラブは、三つのチームに分かれています。「We Connect People」チームは、会員が一緒に参加できる楽しい活動(幽霊ツアー、斧投げ、クリスマスパーティ等)を企画するなど、会員の参加促進を担当します。「We Transform Communities」チームは、地元や海外での奉仕プロジェクトを計画・手配します。「We Fund Sustainable Projects」チームは、その名の通り、募金活動の企画や実施を担当します。例えば、2015年以来、毎年恒例のスペアリブ・フェスティバルで50万ドル以上の寄付金を集めてきました。 

クラブでは現会員と元会員へのアンケート調査も実施しています。ホーンさんはこう説明します。「会員の才能や関心を見逃さないためです。意識的に自分たちを鏡に映して見た上で、うまくできているかどうかを正直に問うようにしています。自分とは違うやり方の人がいても、それはそれでよいし、喜ばしいことだと私たちは考えています」 

その結果、年齢、国籍、性的指向といった点でクラブの会員基盤は多様となっています。「クラブの例会を初めて訪れる人たちは、そこに自分の居場所をすぐに見つけることができます」とホーンさん。「多様性が、より多くの多様性を生み出します。大きな組織の改革や文化的転換は一夜でできるものではありません。リーダー陣が強力であること、会員や入会候補者の情熱を生かし続けること、豊かな多様性を保つためにリスクを恐れず、機敏に対応すること。これらが整えば、クラブは魅力的であり続け、楽しみを見つけることができます」

本稿は『Rotary』誌2023年8月号に掲載された記事を翻訳・編集したものです。

クラブの健康チェック

健康を維持し、病気を予防するには、定期的な健康診断が欠かせません。これと同じように、クラブを定期的に診断して問題点を見つけ、その対処法を探ることが大切です。ロータリーでは、クラブでの体験、奉仕と親睦、会員増強、公共イメージ、運営といった分野におけるクラブの「健康度」を確認するためにクラブリーダーが利用できるチェックリストを用意しています。これを定期的に利用することで、会員と地域社会にとってクラブが価値ある存在であり続けるために何ができるかを考えることができます。以下はいくつかの例ですが、資料全体に目を通し、この貴重なツールを最大限に活用することをお勧めします。

クラブでの体験 

問題:クラブの枠を超えてロータリーを体験しているという実感が会員にない。 

処方:ロータリーの各種プログラムを会員に紹介し、参加を奨励する。例えば、インターアクトクラブをスポンサーする、ロータリー青少年指導者養成プログラム(RYLA)を企画する、奨学金を提供することなどがある。また、ロータリー親睦活動グループロータリー行動グループへの参加を呼びかける。   

奉仕と親睦 

問題:親睦や交流の機会が定期的に設けられていないと会員が感じている。 

処方:親睦を目的とした行事を担当する会員を1~2名決める。  

問題:クラブのプロジェクトが本当に効果をもたらしているのかと会員が疑問に感じている。 

解決策:奉仕プロジェクトについてロータリー財団専門家グループ(Cadre)のメンバーに相談する。

会員増強 

問題:クラブの会員数が停滞または減少している。 

処方:会員増強計画を立てると同時に、新会員を推薦する方法を会員に説明する。また、ほかのクラブに入会者を紹介できることを説明する。オンラインの各種リソースを活用して、多様な会員の入会を促進する。 

公共イメージ 

問題:クラブはオンライン上の存在感がほとんどない。 

処方:オンラインツールに強い会員を見つけ、クラブのウェブサイトとソーシャルメディアを管理してもらう。   

運営

問題:クラブの計画立案と目標設定がうまくいかない。 

解決策:クラブ理事会が少なくとも四半期に一度会合し、クラブ戦略計画の見直しや、目標に向けた進捗の確認、(必要に応じて)細則その他の資料の調整を行う。


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