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ポリオ根絶活動:警戒することの価値

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粘り強いサーベイランスがポリオ根絶に向けた前進の鍵

文:

アフリカの一部の国は、ポリオ発生のリスクが高いと考えられています。しかし、マラウイでは何年もの間、ポリオの症例が1件もありませんでした。  

この国には公衆衛生の充実したインフラがあり、予防接種率も良好です。ポリオによるまひを発症した最後の子どもが確認されたのは1992年のことで、それはアフリカ全体でのポリオフリーが認定される数十年も前のことでした。世界保健機関(WHO)のアフリカ地域ポリオ根絶プログラムのコーディネーターを務めるジャマール・アーメドさんは、「マラウイには、ポリオを知らずに生まれ育った子どもが大勢いる」と話します。それだけに、2022年2月にマラウイの子どもが野生型ポリオの陽性反応を示したときは驚いたとアーメドさんは振り返ります。

数カ月後、ジャネル・ルースさんが米国ニューヨーク州のポリオ検査機関Wadsworth Centerのキルスティン・セント・ジョージさんからのメールを見たときも、同じように驚きとなりました。マンハッタンから約50km北にあるロックランド郡に住むワクチン未接種の男性のポリオ感染が確認されたのです。「衝撃だった」と、米国疾病対策センター(CDC)のウイルス性疾患部門で医務官を務めるルースさんは話します。「米国でまひ性ポリオの症例が出るとは思ってもみませんでした」 

では、長い間ポリオがないと考えられていたこれらの国で、どのようにしてポリオが発見されたのでしょうか。また、感染が拡大しなかったことはどのように確認されたのでしょうか。このような疾病を検知する活動は、サーベイランスと呼ばれています。ロータリーは、過去5年間に7,360万ドルの資金を提供してこの活動を支援してきました。世界的なポリオ根絶が近づくにつれ、サーベイランスは、ポリオのない世界を実現する上で極めて重要な役割を果たすことになります。

インドのデリーにあるバルスワ湖で、ポリオウイルスの検査で水のサンプルを採取する検査技師たち。環境サーベイランスとして知られるこのプロセスは、当局が感染発生のシグナルとなりうる無症状の症例を探すのに役立っています。

Alyce Henson

サーベイランスの基本は比較的シンプルです。「公衆衛生の分野では、探している特定の対象のみに目を向ける」と、世界保健機関(WHO)に17年間勤務し、現在は南アフリカのポリオ根絶コーディネーターであるステラ・アニャンウェさんは話します。「しかし、目に見えないからといって、存在しないということではありません。それがサーベイランスです。情報を収集し、分析し、それを解釈するのです」

さらにもう一点指摘すれば、ポリオ根絶のための調査は決して華やかなものではありません。ポリオのない世界を確実にするための鍵は、排泄物にあるのです。


2021年11月、マラウイの首都リロングウェの貧困地域に住む3歳の少女が右半身のまひ症状を訴えて病院を訪れたとき、臨床医たちはすぐに急性弛緩性まひ(AFP)と診断しました。急性弛緩性まひにはさまざまな原因があり、ポリオはその一つにすぎず、その発症は稀であるため、フォローアップの診断が必要となります。

統計情報

  1. 145

    ポリオネットワークで使用されている研究室

  2. 75

    環境サーベイランスに対応できる研究室

  3. 800

    環境サーベイランスを実施している施設(世界全体)

  4. 7,360万ドル

    2018-22年度にロータリーが投じたサーベイランス用資金

  5. 85%

    環境サーベイランスシステムを有するWHOアフリカ地域内の国

ポリオは人間の排泄物を通じて(稀にくしゃみや咳を通じて)感染します。汚染された食物や水などを介して、口から体内に入ったウイルスは、消化管内で増殖し、糞便中に排泄されます。AFPと診断されると、医師はポリオ検査機関に便を送り、ウイルスの有無を調べます。これはAFPサーベイランスと呼ばれ、ポリオの主症状であるAFPの症例を見つけ、その症例がウイルスによって引き起こされたかどうかをサンプルを通して確認します。 

CDC世界予防接種部門の疫学者であるファレル・トボロフスキーさんは、AFPサーベイランスを釣りに例えて説明します。「魚を捕るための網がありますよね。ポリオは網にかかった魚なんです」 

マラウイでは、臨床医が女児の便を採取しました。しかし、マラウイで最後にポリオが発症したのは30年前のことであり、ウイルスの存在など頭の片隅にもありませんでした。その年の1月、サンプルは南アフリカにある最も近いポリオの研究所に送られました。 

ポリオウイルスが増殖するかどうかを確認するため、研究員はサンプルを細胞培養にかけました。そのウイルスの塩基配列を調べたところ、野生型ポリオ1型であることが判明しました。サンプルはアトランタにあるCDCの専門研究所に送られ、そこで追加検査が行われました。その結果、サンプルの遺伝子配列が2019年10月にパキスタンのシンド州で最後に確認されたウイルス株に関連していることが確認されました。  

WHOの実験ネットワーク(Global Polio Laboratory Network)のコーディネーターであるウスマヌ・ディオプさんは、遺伝子は一種の「分子時計」として機能していると説明します。ポリオウイルスは感染すると、1年に約9回の突然変異を起こします。サンプル内の変異の数を数えれば、そのウイルスがどのくらいの期間伝播しているものかが分かるのです。 

アーメドさんによると、サンプルの遺伝子配列から、このウイルスはこの地域に輸入されたものであることが判明しました。「このウイルスは、2年以上前からこの地域に伝搬していたことが明らかです」と話します。 

サーベイランスの流れ

急性弛緩性まひのサーベイランスは、ポリオ感染者を発見するための絶対的な判断基準で、次の四つのステップで行われます:

  1. 急性弛緩性まひの子どもの発見と報告

  2. 分析のための便サンプルの輸送

  3. 実験室でのポリオウイルスの分離と特定

  4. ウイルス株の起源を特定するためのウイルスのマッピング

出典:世界ポリオ根絶推進活動(GPEI)

マラウイと同様、米国の医師たちはポリオ発症を予期していませんでした。マラウイで最後に野生型ポリオの感染が起きたのは1979年のことでしたが、2014年になって同じような症状が子どもたちに現れ始めました。「これが50年前であれば、ポリオの症例とみなしたでしょう」とルースさん。「しかし、長いことポリオ無発症の期間が続いていたので、何がこの症状を引き起こしたのか疑問に感じました」。科学者たちは、ポリオウイルスと同じ系統のほかのウイルスがポリオのような病気を引き起こす可能性があることを発見し、EV-D68と呼ばれるウイルスが2014年、2016年、2018年の感染の背後にある可能性が高いことを発見しました。  

2022年6月、ニューヨーク州でワクチン未接種の20歳の男性が背中と胃の痛み、首のこわばり、微熱、両足の脱力感を訴えて救急外来を受診したとき、臨床医は急性弛緩性脊髄炎(AFM)と呼ばれるポリオのような病気の可能性を探りました。AFMが表面化する時期である夏が近づいていたため、ニューヨーク州は、突然の筋力低下を伴う患者に注意するよう臨床医への警告を出しました。 

AFMを憂慮した医師たちは、この男性の反射神経と脚力の欠如を診て、検査のために便やその他のサンプルを採取しました。驚いたことに、検便の結果はポリオウイルス陽性でした。遺伝子解析の結果、このポリオウイルスは、ロンドンとエルサレムで発生した株に関連した変種ポリオウイルス2型であることが判明しました。この変種ポリオウイルスの集団感染は、世界中の予防接種が十分に行われていない地域で多発しています。 

「AFMのサーベイランスシステムを構築するために2014年から行ってきたすべての作業が結実し、長期間を経た後に米国でポリオの症例を検知できたのは驚きでした」とルースさんは話します。 

残る2カ国のポリオ常在国の一つであるパキスタンでは、環境サーベイランスがウイルスの検出で重要な役割を果たしています。2023年6月現在、同国には114カ所の下水処理施設があり、今年前半期で1%の検体からウイルス陽性反応が検出されました。 

世界保健機関(WHO)

アフリカでは2年前からポリオが伝搬していると考えられたため、WHO、CDC、その他の国際的パートナーは、マラウイで野生型ポリオの症例が確認された数日後に完全な対応態勢に入りました。その第一の目標は、マラウイと近隣のモザンビーク、タンザニア、ザンビア、ジンバブエの3,300万人以上の子どもへの集団予防接種に備えることでした。 

同時に、保健当局ではこれら5カ国の医療システム全体でヘルスワーカーを教育し、これらのワーカーは子どもにワクチンを接種するために家々を回りながら、ポリオの症状が出ていないか目を光らせました。このようなサーベイランスの強化により、モザンビークではポリオのまひ症状が出た子どもがさらに8人確認されました。世界ポリオ根絶推進活動(GPEI)における対応の見直しに参加するため、モザンビークを訪れたアニャングウェさん(南アフリカ、プレトリア・ロータリークラブ会員)は、「このときの混乱はご想像の通りです」と話します。 

モザンビークでの感染はすべて同国北西部のテテ州で起きたもので、当局は同州が流行の源であると考えています。「最初にウイルスが流入したのはモザンビークで、マラウイで検出されたのは、そこでのサーベイランスがより敏感であったためと思われる」とディオプさんは説明します。 

米国では、2型ポリオの発症が1件でもあれば、それは(軽症や無症状も含め)数千人が感染していることを意味すると想定して、当局が行動を起こしました。CDCは医師向けにウェビナーを開催し、突然の筋力低下への警戒を強めました。ポリオと診断された男性が住んでいたロックランド郡では、推奨されている3回のポリオワクチン接種を受けた2歳児は60パーセントにすぎず、そのうちの一つの区域では37パーセントしか予防接種を受けていませんでした(全米の平均接種率は93%)。 

CDCは、流行がいつから始まり、どこまで広がっているのかを把握するため、環境サーベイランスにも注目しました。


ポリオの根絶は間近に迫っており、ポリオに感染して身体まひになる子どもはほとんどいません。しかし、何千もの子どもに無症状の感染が起きています。急性弛緩性まひのサーベイランスによって、まひ症状を特定することは可能ですが、それ以外の場合、症例はどのように見つけるのでしょうか。  

そこで糞便サンプルが重要となります。科学者は、まひ症状のある子どもの便を検査するときと同じプロセスで、当該地域の下水サンプルを分析します。この環境監サーベイランスのプロセスは、一人の子どもだけでなく、子どもの集団全体を調査するのに役立ちます。トボロフスキーさんが漁網にたとえたように、環境サーベイランスは下水に含まれるウイルスを探すことで、より広い網を張ることになるのです。 

古代ギリシャにさかのぼれば、人びとは汚水(というより、そこから生じる蒸気)が疾病感染の原因であると非難しました。排水そのものが原因であるという考えは、19世紀半ばのイギリスにさかのぼります。1928年に腸チフスが排水から検出され、1939年までには、ポリオウイルスの検知のために排水が使えると科学者たちは判断しました。  

GPEIは2000年、ポリオがまだ流行していたエジプトで、下水サンプルからポリオウイルスを探し始めました。この取り組みは、エジプトにおける野生型ポリオウイルスの根絶に貢献し、これをきっかけにGPEIは、2009年から他のポリオ常在国でも環境サーベイランスを開始しました。その後、環境サーベイランスの対象国はさらに拡大されました。また、GPEI以外の国々でも、独自の廃水のサーベイランスが実施されています。ディオプさんによると、環境サーベイランスは世界の約800カ所で実施されています。  

ウクライナのウジホロド近郊の下水処理場で排水サンプルを採取するヘルスワーカー。ウクライナでは2021年、二人の子どもが変種ポリオウイルス2型に感染し、まひを発症しました。環境サーベイランスは、当局が感染収束を確信するのに役立ちます。

世界保健機関(WHO)

下水道が整備されている国では、保健当局が処理場に向かう途中の未処理の下水をサンプルとして採取します。しかし、ポリオのリスクが最も高い地域は衛生状態が悪いことが多く、そのような場合、保健当局はサンプルを採取する場所を正確に決定するために、社会経済環境が未発達な場所、移住者や人口移動が多い場所、ポリオやその他の病気の発生歴がある場所など、ほかの兆候を示す指標を探します。 

そのような判断が必要となった場合、保健所の職員は、国勢調査の統計や衛星写真、地形図を参照し、汚水が高いところから低いところまで流れている場所を特定します。「通常、適切とされる場所は流れの良い場所であり、淀んだ場所ではない」とアーメドさん。「多くの人がトイレを使用する時間帯を想定して、朝に採取するようにしています」。 

通常、ポリオワーカーたちが立ち入ることのできない地域では、下水処理担当職員が地域社会との信頼関係を築く傾向にあります。ディオプさんが説明するように、誰だって自分の家の前に汚水が流れ込むのは嫌なものです。下水処理担当職員は通常、地域住民からの協力を得て、必要なサンプルを手に入れることができます。 

マラウイでのポリオ症例が確認された2022年2月、同国はGPEIの環境サーベイランス拡大リストに掲載されており、チームはすでに予備調査を開始していました。「症例が確認された直後から、2、3人のサーベイランス担当者が町から町へと回り、適切なサンプル収集場所を評価しました」とアーメドさん。「リロングウェのある場所から最初の環境サーベイランスサンプルを採取したのは、アウトブレイクの宣言から4日以内だっと思います。1カ月も経たないうちに、マラウイ全土で8、9カ所の収集場所ができました」。現在までに、マラウイから野生型ポリオウイルス陽性のサンプルは出ていません。  

環境サーベイランスは、感染発生の源であるモザンビークのテテ州を含む周辺諸国でも強化されました。しかし、テテ州では、保健担当者が質の高い環境サーベイランスの実施場所を見つけるのに苦労し、排水から野生型ポリオウイルスを検出することができませんでした。「AFPのサーベイランスシステムが最も役に立った」とアーメドさんは振り返ります。 

ひとたび陽性サンプルが特定されれば、有益な情報が得られます。例として、ボツワナでは昨年、環境サンプリングによって変種ポリオウイルス2型が特定され、当局は2回の予防接種を実施し、まひ症状を引き起こす前に感染を食い止めることができました。とはいえ、陰性サンプルは陽性サンプルほど確定的なものではありません。陰性の結果は、疾病が存在しないことを意味することもありますが、サンプルの質が悪かったり、単に間違った日に採取された可能性もあります。サンプルは一部を採取したものに過ぎない、とディオプさんは主張します。「価値はありますが、すべてのポリオウイルスを検出できる万能策ではありません。環境サーベイランスは、絶対的な基準であるAFPサーベイランスを補完するものでしかないのです」 


米国では、保健当局が変種ポリオウィルスの蔓延の程度を測定するために排水サンプルの採取にも目を向け、新型コロナの流行以降は、この作業の負担は軽減されています。 

新型コロナウイルスが排水から追跡可能であることが研究で証明された後、CDCは急増する感染を検出するために、2020年に国レベルの排水サーベイランスシステムを設置しました。2023年6月現在、全米で1,400以上の施設がコロナウイルスの排水サーベイランスを行っており、これは米国民の40%による排水に相当します。各施設は定期的にデータを収集し、CDCに提出しています。 

研究者たちは、保健当局がニューヨークのポリオ症例を特定後、新型コロナウイルスのサーベイランスのために集められたこれらのサンプルを基に、過去にさかのぼって検査を試みました。「ニューヨーク州は新型コロナウイルスを検査し、検体を保管していました。「棚から検体を取り出して、さかのぼって検査することができました。ポリオでまひを発症した男性は6月に衰弱したため、当局が5月と4月にロックランド郡と近隣の郡で採取された検体を調べたところ、ポリオウイルス陽性のものがありました。これは、患者が病院に到着する数週間前からウイルスが蔓延していたことを示すもので、マラウイでの検出と同様に、ワクチン未接種の子どもへのポリオワクチン接種を強化し、ポリオの症状への警戒を強めるきっかけとなりました。 

保健当局はその後、ニューヨーク市(患者が住む町の人びとがよく訪れる場所)、近隣の郡、隣接するコネチカット州とニュージャージー州の似たような人口の場所を探し、捜索範囲を広げました。これらの2州では陽性サンプルはありませんでしたが、2022年10月まで、ニューヨークの下水サンプルからは常にポリオが検出されました。その後、検出数は急減し(ポリオは統計上、温帯気候では夏に流行)、2月下旬以降に陽性となった下水サンプルはありません。CDCはその後、ワクチン接種率の低い他州の一部の地域にも検査を拡大する計画を立てました。 

「本当によかった」とルースさんは話します。「夏に向けて排水中でポリオウイルスが増えるかもしれない、あるいは、流行が続いているほかの郡からポリオウイルスが入って来るかもしれないと、私たちは神経質になっていました。今後、何も起こらないことを願っています」 

アーメドさんもまた、アフリカで発生した野生型ポリオが収束したかどうかを見守っています。「ポリオは非常に厄介なウイルスです。発見されないまま、長期にわたって伝搬する可能性があります。私たちは常に、適切なサーベイランスと時間の組み合わせが必要だと言っています」 

保健施設の外でポリオの環境サンプリングを行う、ノースダルフール(スーダン)保健省の職員。当局は、ウイルスの新たな出現を迅速に発見するために必要なサーベイランスのレベルを維持するよう努めています。

世界保健機関(WHO)

研究者たちは、感染率が非常に低くても下水サンプルからポリオを検出できるよう、検査の精度を上げる努力をしています。漁網の網目を非常に細かくして、ウイルスがすり抜けられないようにするのです。「ポリオウイルスを見逃さないよう、ポリオフリーの認定後も重要となるでしょう」とディオプさんは話します。   

リスクの高い地域での継続的な検査も重要です。ひとたび陰性となったとしても、その日はたまたま陰性だったということもありうるからです。検査が常に陰性であれば、ポリオが本当になくなったという確信も高まります。 

新型コロナウイルスのサーベイランスでは、30年の実績があるGPEIの研究室ネットワーク(人材とインフラの両方)が極めて重要であることが証明されました。ポリオ研究室ネットワークの専門家たちは、コロナウイルスを検査するための国内プロセスの確立を支援し、スタッフはコロナウイルスの検出作業に協力しました。「私たちにはスキルがあります。コロナ禍でインフラが拡充され、シークエンシング(塩基配列の特定)のノウハウを有する人が増えたという恩恵もあります。研究室のネットワークは、アフリカの公衆衛生にとってあらゆる面で有益なものです」 

世界中に広がるこの排水サーベイランスのネットワークは、将来的に大きな可能性を秘めています。「用途は無限」とルースさんは言います。「私はインフルエンザへの応用に関心があります。アメリカのインフルエンザの流行時期を予測し、より迅速にワクチンを適用できるかもしれません」。2022年、米国の研究者たちは、以前はサル痘として知られていたmpoxウイルスの感染を追跡するために下水の調査を行いました。下水は、オピオイドの使用状況のモニタリング、地域社会の肥満率の予測、薬剤耐性結核菌のサーベイランスなどあらゆることに利用でき、これによってより迅速な対応が可能になります。  

ポリオ根絶の未来はサーベイランスにかかっています。排水を利用した疫学調査はモニタリングの重要な手段となり、将来にほかの公衆衛生問題に取り組む際にも、極めて重要な役割を果たすことになるかもしれません。つまり、ロータリーがこれまで行ってきたサーベイランスへの投資は、今後何年にもわたって実を結び続けることになるのです。

本稿は『Rotary』誌(2023年10月号)の記事を翻訳したものです。

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