東アフリカの南スーダン。この国の最辺境の地域で、南スーダンと米国のロータリー会員たちが移動困難な地形と激しい内戦の中、現地の人びとのために給水施設の設置を進めています。
世界で最も新しい国、南スーダンは、2011年に独立国家としての道を歩み始めました。しかし、19世紀以来土地と資源をめぐって争ってきたディンカ族とヌアー族との紛争が悪化し、2013年12月から内戦状態が続いています。既に数万人が死亡し、180万人ほどが行き場を失いました。また、政府と反対勢力との間で結ばれた3回の平和協定もすぐに破られてしまいました。
武力衝突は主に国境地帯で起こっていますが、国境から離れた地域でも経済危機やインフラの荒廃が進んでいます。政府による支援がほとんどなく、汚染された水による感染症や飢饉が深刻化しています。
そんな中、南スーダンの首都ジュバと、米国ウィスコンシン州のロータリー会員が、南スーダンの山間にあるテネットボマ地域で、10の村の住民のために、給水インフラの構築に取り組んでいます。
ロータリー会員たちは、ロータリー財団のグローバル補助金を活用して47,000ドルの資金を確保。その資金で井戸を掘り、太陽光電池で動くポンプ、19,000リットルの貯水タンク、6から10の蛇口を設置することで、14,000人の人たちがきれいな水を使えるようになることを目指しています。
このプロジェクトは、当初から困難に突き当たりました。村が集まっている地域から最寄りの町までは1本の道路があるだけで、歩いて3日かかります。年2回訪れる雨季には道がぬかるみになり、建設資材どころか救援物資さえ、輸送がほとんど不可能になります。補助金が承認されたのがちょうど雨季だったため、しばらくは資材の調達もできませんでした。
また、支援の対象となっている地域への立ち入りを反抗勢力が制限しているため、そこへたどり着くことさえも非常に難しい課題です。
その地域で影響力のあるジュバのロータリー会員は、政府関係者、反対派リーダー、部族リーダーたちにこの水プロジェクトの重要性を理解してもらうことで、困難を克服しようとしています。
また、当初利用する予定だった業者が武力紛争を嫌ってプロジェクトから撤退したことも、さらなる遅れの原因となりました。内戦のため、プロジェクトに参加できる業者が少ないことも問題となっており、ロータリー会員たちは政府やほかのNGOと協力し、代わりの業者を探しています。
これらの困難にもかかわらず、ロータリー会員の固い決意は変わりません。長年南スーダンを支援してきた米国ウィスコンシン州のロータリー会員、ジョン・ケリーさんは次のように述べています。「私たちはあきらません。できる限り多くの政府関係者、NGO関係者、その他の人びとの関係を築き、情報を収集すれば、このプロジェクトは必ず完成します」
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