全世界でポリオを撲滅するため、諸団体が緊密な連携を続けています。1988年以来、ロータリーは、世界保健機関(WHO)、米国疾病対策センター(CDC)、ユニセフと手を組み、世界ポリオ撲滅推進活動(GPEI)に取り組んできました。各組織は以下のようにそれぞれ異なる役割を担っています。
世界保健機関:戦略担当
GPEIの実施と管理を担当し、各国の保健省に技術面や運営面でのサポートを提供しています。また、活動成果のモニタリング、戦略の立案も行っています。
米国疾病対策センター:ウイルス対策
疫学者、公共保健専門家、科学者を起用し、ポリオ流行に関する調査、ウイルスの種類と感染源の特定を行っています。
ユニセフ:予防接種
ポリオワクチンの購入と分配のほか、社会動員(social mobilization)活動として、人びとに予防接種の効用を説明し、認識向上に努めています。現地ではフィールドワーカーが地元の保健従事者やボランティアと協力し、子どもたちへの予防接種を行っています。
ロータリー:アドボカシー活動
ロータリー会員の持つビジネス・専門知識、ボランティアのネットワークを生かして、ポリオ撲滅のための認識向上、募金活動、各国政府への働きかけを行っています。これまでに100万人以上の会員がボランティア活動や募金を支援しました。
そのほかの活動パートナー
GPEIの中核を担う上記の4団体(世界保健機関、米国疾病対策センター、ユニセフ、ロータリー)のほかにも、多くの団体・政府がポリオ撲滅活動を支えています。
ビル&メリンダ・ゲイツ財団:GPEIの強力なパートナーとして、民間団体としては最高額の19億ドルを提供しました。ロータリーともパートナーシップを組み、ロータリーが集めたポリオ撲滅への寄付に2倍の額を上乗せする支援も行っています(2018年まで毎年最大3500万ドルが上乗せ対象)。
各国政府:ポリオ撲滅活動の大部分は、各国政府からの資金援助で支えられています。また、ポリオ常在国や高リスク国で予防接種を実施するには、現地政府の支援が不可欠です。
各地の保健従事者:保健従事者たちは、情勢不安な地域で身を危険にさらしても活動を続け、子どもたちをポリオから守っています。パキスタンでは戸別訪問を行い、女性の保健従事者が母親たちに予防接種について説明しています。予防接種への不安をなくし、遠隔地域へワクチンを届ける活動も行っています。
GAVIアライアンス:ワクチンと予防接種のための世界同盟であるGAVIは、世界の最貧国にワクチンを提供しています。定期予防接種で少なくとも1回は不活化ポリオワクチンの注射を提供できるよう、GPEIとの協力も進めています。
(上記は『The Rotarian』誌2015年9月号からの抜粋です)
The Rotarian