2016年規定審議会が閉会し、ロータリー史に残る多くの重要な決定が行われました。
今回の審議会では、例会スケジュールや会員身分に関してより多くの裁量をクラブに委ねる立法案や、3年にわたって4ドルずつ人頭分担金を増額する立法案が採択されました。この増額による収入は、ロータリーウェブサイトを含むオンラインツールの改良と、クラブにおける会員増強を支えるプログラムや業務提供のために使用されます。
ロータリーのガバナンスにとって重大な決定を行う規定審議会は、3年ごとにシカゴで開催され、世界中から集まる代表議員がロータリーの組織規定に変更を加える立法案を審議します。審議会で採択された変更は、7月1日より有効となります。
今回の審議会は、柔軟性を増加する案件に多くの注目が集まりました。一つは、クラブが月に少なくとも2回以上の例会を行う限り、いつ、どのくらいの頻度で例会を開くか、あるいは例会をキャンセルするか、また何をもって例会とするかについて、より多くの裁量をクラブに与えるものです。もう一つは、会員身分について新しい試みができる柔軟性をクラブに与えるものです。これらの案件はいずれも採択されました。
代表議員はまた、RI定款から会員資格6項目を削除し、「職業上および(または)地域社会でよい評判を受けており、地域社会および(または)世界において奉仕する意欲のある人」という簡潔な会員資格に変える案件も採択しました。
人頭分担金における年4ドルの増額は、増額または抜本的なコスト削減をしないと、2020年までに一剰余金が必要レベルを下回るとする財務5カ年計画を基に決定されました。この決定により、人頭分担金は2017-18年度に60ドル、2018-19年度に64ドル、2019-20年度に68ドルに増額されます。それ以降の年度の額については次回の規定審議会で討論されます。
グレッグ E. ポッドRI副会長は、「現在の枠組みを越えて、ロータリーの未来について考えなければならない」と述べ、人頭分担金による収入が増加すれば、My ROTARYを改良し、会員増強を支えるリソースをクラブに提供し、クラブと地区の報告を簡素化し、ローターアクターもウェブサイトを活用できるようになり、変化する世界の標準に合わせてシステムを修正することが可能になると説明しました。
規定審議会では、上記のほかにも重要な決定がなされました。
- 毎年オンラインで開催する決議審議会の創設が承認されました。決議審議会ではRI理事会に提出する決議案の検討が行われることとなり、これにより、3年に1度開かれる規定審議会では、ロータリーの組織規定に変更を加える制定案に集中して審議することが可能となります。3年任期で選出される代表議員は、決議審議会に毎年出席し、最後の年に規定審議会に出席します。本件の提案者は、この変更に伴い規定審議会を1日短縮できれば最大30万ドルの費用削減につながるとの予見を発表しました。
- ローターアクターが同時にロータリークラブの正会員となることを認める制定案も採択されました。本件の提案者は、30歳という年齢上限を迎える前にローターアクトを去ることに消極的なローターアクターが多いため、ロータリーに入会するローターアクターが極めて少ない(5%程度)ことを主張しました。より多くの選択肢をローターアクターに与えることで、多くの資格ある若いリーダーにロータリー入会への道を開けるようになることが期待されます。
- 従来型クラブとEクラブに区別をなくす立法案が採択されました。これは、クラブが既に多様な方法で柔軟に例会を開いており、従来型とEクラブを区別する必要がないと判断されたためです。ただし、クラブ名に“e-club”(Eクラブ)が入っているクラブは、その名称を維持できます。
- 細則から入会金への言及箇所が削除されます。本件の提案者は、入会金への言及は、ロータリーの現代的なイメージを促進するものではないと主張しました。
- 会員増強が組織の最優先事項であることを認識し、会員増強の常設委員会が設置されました。また、ポリオ撲滅が最優先される目標であることが再確認されました。