水と衛生の問題に取り組む平和フェロー
記事:Paul Engleman
「ロータリー・カナダ」:2012年10月号
元平和フェロー、ライアン・ロウさん。写真提供:Anne-Marie Di Lullo/Tabasamu Education Fund
カナダ出身のロータリー平和フェロー(2010-12年度)、ライアン・ロウさんは、ロータリー平和センターがあるノースカロライナ大学チャペルヒル校で学び、去る5月、公衆衛生学の修士号と、平和と紛争解決の修了証を取得しました。子どものころは第二外国語の授業が嫌いだったというライアンさんですが、今では英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語を話し、最近は中国語の勉強も始めました。
そんなライアンさんが何より力を入れている分野は、ノースカロライナ大学で専攻した水と衛生の問題です。現在、同大学の水教育機関で連絡担当員として働くかたわら、ロータリーをはじめとする団体によるアフリカでの水プロジェクトに、ボランティアとして参加しています。「水問題というと、その深刻さにたじろいでしまう人も多いと思いますが、みんなで力を合わせて知恵やリソースを出し合えば、大きな改善を図ることができると私は信じています」
モントリオール(カナダ)での大学時代の経験から、ライアンさんは物事を明るい方向に考え、固い決意をもって取り組む大切さを学びました。大学を休学し、バスを乗り継いで中央アメリカを渡り、言語や文化の違いを経験、その後、コロンビアの交換留学プログラムに参加してスペイン語での授業を履修しました。このバスの旅で多くの人が貧困に苦しむ現実を目の当たりにしたライアンさんは、インフラ整備の欠如という根本的な問題があることに気づき、そこに改善の機会を見出しました。
そこで大学卒業後、ライアンさんはトロント(カナダ)にある大学院に進学して戦略マネジメントを専攻、その後ブラジルに留学し、ポルトガル語で履修しながら、中南米における水関連インフラ整備に投資する民間企業について研究しました。
幼いころ、ロータリアンの叔父や叔母から世界旅行や奉仕プロジェクトの話を聞いたライアンさん。そのころはまだ、ロータリーのことは何も知らなかったそうです。しかし、アラブ首長国連邦でインフラ開発の仕事に従事していた2009年、世界各地の優れた専門家と水問題について研究できるロータリー平和センターの存在を知りました。
「ノースカロライナ大学の公衆衛生プログラムは、ロータリーの誇るパートナーシップ」と話すライアンさん。「ロータリー平和センター・プログラムへの申請は、人生で最高の決断でした」
平和センターでの研究を終えたライアンさんは、今年6月、バックパックを背負ってアフリカに渡り、ザンビア、マラウィ、モザンビークを訪問、そこで世界保健機関(WHO)やユニセフが主催する会議で講演を行いました。今後は、自ら役員を務める教育支援NPO、「Tabasamu Education Fund」があるケニアを訪問する予定です。
ライアンさんの最終的な目標は、インフラ開発を持続的に支援する基金を設立することです。この基金を通じて、社会的に不安定な地域の福祉保健を改善したいと心に描いています。また、ほかの平和フェローとこれからも協力していきたいと望んでいます。平和フェローは、みな仲間であるとライアンさん。「情熱があれば成功できると思います。道を開いてくれたロータリーに感謝しています」
そのほかのロータリー関連情報は、国際ロータリー公式ツイッター日本版をフォローしてご覧ください。