パキスタンでポリオ撲滅に大きな進展
記事:Dan Nixon
ロータリー・ニュース:2012年8月10日
パキスタンのポリオ撲滅緊急計画について、アースィフ・アリー・ザルダーリー大統領と会談する(右から)ボブ・スコット国際ロータリー・ポリオ・プラス委員長とアジズ・メモン・パキスタン・ポリオ・プラス委員長(3月、イスラマバードにて)。6月には、同国のロータリアンがパキスタン政府の150名の議員から、ポリオ撲滅支援への署名を集めるための支援を行いました。写真提供:パキスタン・ポリオ・プラス委員会
ポリオ常在国の一つであるパキスタン。最近カラチで、地元のポリオ予防接種従事者が殺害され、WHO職員と海外からのコンサルタントが負傷するという事件が起こりました。さらに、同国北部のある小さい地域社会のリーダーが、ポリオ予防接種を禁止するという事態もありました。
WHOは、この事件の被害者とその遺族に哀悼の意を表した上で、「世界ポリオ撲滅推進計画」のパートナー団体が引き続きポリオ撲滅においてパキスタン政府と同国民を支援していくことを発表しました。
このような困難にもかかわらず、今年、パキスタンにおけるポリオ発生数は60%減少しました(7月12日現在で12件の発生が報告されている。昨年同時期には59件)。国際ロータリー・ポリオ・プラス委員会のボブ・スコット委員長は、パキスタンの状況について次のように話します。「パキスタンでは現在、政府によってさまざまな新しい活動が行われており、政府レベル、市民レベルのあらゆるリソースを使って、全国ポリオ緊急行動計画が実施されています。この計画を通じて、今年パキスタンはポリオ撲滅において大きく進展するチャンスがあると思います。この緊急計画は特に、バローチスターン州やシンド州といった重要な地域で既に結果を出しています」
パキスタンでのポリオ撲滅を支援する一環として、ロータリーは最近、カラチとその他のシンド州の2カ所のチェックポイントに、移動クリニックを開設しました。24時間職員が常駐し、WHOによって監督されています。ロータリーはまた、4月に、パキスタン政府に45,000個のワクチン運搬容器を提供しました。
予防接種キャンプ、地元政府への働きかけ、募金イベントの開催、緊急行動計画の推進など、パキスタンの政府職員とロータリアンは、同国におけるポリオ撲滅の最前線で活躍しています。
ロータリーはさらに、ウレマーと呼ばれるイスラム教聖職者から成る委員会を組織し、ポリオワクチンに対する誤解をなくすための活動も行っています。ロータリーは過去にも、この方法で、予防接種に対する抵抗意識を払拭しており、その結果インドは、2012年2月に、WHOによりポリオ常在国リストから除外されました。
6月、パキスタンとアフガニスタンの保健省関係者がインドを訪れ、ラジェンドラ・サブー元RI会長、アショク・マハジャン管理委員、ディーパク・カプール・インド・ポリオ・プラス委員長から、インドでのポリオ撲滅活動について説明を受けました。この中で、サブー元会長らは、インフラの役割、予防接種活動の調整などについて話し、インドと気候や社会経済が類似しているパキスタンでも同様の戦略が取れることを説明しました。
パキスタン全国ポリオ・プラス委員会とコカ・コーラ・パキスタンは、ポリオの認識向上のために協力しています。同社は、7月の全国予防接種日を推進する14の看板を設置しただけでなく、野生ポリオウイルスの発生が報告された地域にある商店に 同様のポスターを配布したり、ポリオワクチンの運搬に利用するバンや高速道路の料金所への水の寄贈などを実施しています。「5,100人のパキスタンのロータリー会員を含む世界120万人のロータリアンに代わり、コカ・コーラ社の寛大な支援と全国ポリオ予防接種キャンペーンへの協力に、心から感謝しています。協力し合うことで、私たちはパキスタンからポリオをなくし、ポリオのない世界の実現に一歩近づいています」と話すのは、アジズ・メモン・パキスタン・ポリオ・プラス委員長です。
国際的に有名なクリケット選手で、国連薬物犯罪事務所の親善大使も務めるシャヒド・アフリディ氏が、ロータリーの「あと少し(This Close)」キャンペーンに新たに参加し、パキスタンでのポリオ撲滅活動を支援しています。同氏は、パキスタンの連邦直轄部族地域の出身でパシュトゥーン人です。2011年のデータでは、パキスタンにおけるポリオ感染者のうち、75%がパシュトゥーン人となっています(同国全人口に対するパシュトゥーン人の割合は15%)。アフリディ氏のポリオ撲滅活動支援について、前述のメモン氏は次のように話します。「国際的な著名人が、他国のポリオ撲滅活動への認識向上に大きく貢献していることを見てきたので、アフリディ氏の参加により、パキスタンにおけるポリオ予防接種への関心が大きく高まると期待しています」
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