平和を土台から築き上げる
記事:Joseph Derr
国際ロータリー・ニュース:2009年6月19日
ロータリー世界平和シンポジウムの休憩中に話をする元平和フェローの寺西悦子さん(左)とデイビッド・チックさん。両者は、開発問題についての分科会を進行しました。写真提供:Rotary Images/Alyce Henson
第2回ロータリー世界平和シンポジウムで、末永く続く平和の実現と、21世紀における平和構築の課題について話し合いが行われました。
「人類は今、岐路に立っている」と、6月18日(木)の開会本会議で、国際安全保障問題の専門家、ポール・ロジャース氏は話しました。
「1945年から2045年の百年は、これまでの私たちのやり方を根本的に変えねばならない時代となるでしょう」と話すロジャース氏は、平和および紛争解決の分野における国際問題研究のためのロータリー・センターの提携大学の一つ、ブラッドフォード大学で平和研究の教授として教鞭を執っています。「各国は、紛争の根源に目を向ける代わりに、軍事手段で紛争解決を行おうとする傾向にあります」
英国バーミンガムで開かれた2日間のシンポジウムは、ロータリー世界平和フェロー、学友、平和研究の専門家、ロータリアンをはじめとする大勢の参加者にとって、活発な話し合いとネットワークづくりの機会となりました。シンポジウムでは、移住、開発、宗教、民族などのトピックについて話し合われました。
オーストラリア出身の2005-07年度平和フェロー、デイビッド・チックさんは、平和構築において開発が果たす役割について話しました。その中で、 オーストラリア国際開発庁(AusAID)の太平洋地域プログラムの主任として働いていたパプアニューギニアでの実地体験について語りました。
「開発によって、人々は自分の能力を生かして社会に恩恵をもたらすことができる」 とチックさん。「シンプルなプロジェクトでも、十分な効果をもたらすことができるのです」
例えば、道端での暴力や性犯罪、窃盗を防ぐために、チックさんは簡単でコストのかからないアイデアを考案しました。それは、安価なメガホンを設置して、通りかかる行商人に地元の役人が安全について呼びかける、というものです。このアイデアによって犯罪数は減りました。「メガホンによるアナウンスは、町一番の呼び物となりました。時には、5千人もの人々がアナウンスを聴こうと寄ってくるのです」とチックさんは説明します。「安価であるばかりでなく、町の人々にも参加してもらうことで、安全を維持できるようになりました」
日本出身の2005-07年度平和フェローである寺西悦子さんは、カンボジアとインドネシアの非政府組織で活動した経験があります。「本当の仕事が始まるのは、平和調停が交わされた後」と寺西さんは話します。「平和を維持するには、政治的、社会的、経済的な開発にも焦点を絞っていかなければなりません。中でも経済的発展は、平和構築プロセスの極めて重要な一部なのです」
未来に希望を抱いているロジャース氏は、ロータリー世界平和フェローが平和構築をさらに前進させてくれると信じています。また、ジョナサンB. マジィアベ財団管理委員長も、これに呼応して次のように話しました。
「ロータリーの世界平和への投資は、ロータリー・センター・プログラムを通じて大きな報いがもたらされるでしょう」