外交に役立ちたいと願うマサイ族の戦士
記事:Ryan Hyland
国際ロータリー・ニュース:2009年9月18日
ニューヨークで起きた9月11日のテロ攻撃に対するマサイ族の反応を描いた絵本、「14 Cows For America」の製作に協力した次期ロータリー世界平和フェローのウィルソン・キメリ・ナイヨマさん。
Rotary Images/Alyce Henson
ニューヨークで9月11日のテロ攻撃を目撃した数カ月後に母国ケニアに戻ったウィルソン・キメリ・ナイヨマさんは、遊牧戦闘民族であるマサイ族の仲間のほとんどが、その日に何が起きたのかをよく理解していないことを知りました。
次期ロータリー世界平和フェローのナイヨマさんが、この東アフリカの部族に、昔からの言い伝えを交えながら自分が直接体験した出来事について話すと、ナイヨマさんの話に深く心を動かされたマサイ族の長老は、何か支援を送りたいという気持ちに駆られました。
そこで、同情と哀悼の印として、米国に牛を贈ろうということになりました。
ナイヨマさんは、マサイ族のこの反応について描いた子供用の絵本で、国際的な注目を集めた「14 Cows for America 」の製作において、受賞歴を持つ作家のカルメン・アグラ・ディーディーさんに協力しました。この絵本には、 牛がマサイ族にとってどれほど神聖であり、ほかのどの財産よりもいかに大切にされているかについて描かれています。
「牛は、私たちにとって命のシンボルなのです」とナイヨマさん。「あの日に起きた事件は、私に大きな衝撃を与えました」
牛を国内に持ち込むための費用を懸念した米国国務省当局の判断により、結局牛は米国に贈られませんでしたが、マサイ族の人々は、アメリカ人のために、これらの牛をほかの牛とは別にして、殺さず飼うことを誓いました。
「この物語には、治癒と解決について描かれています。無邪気な心を持つ子供たちは、きっとこの物語をよく理解することができるでしょう。思いやりに満ちた世界は、子供たちから始まるのです」
ナイヨマさんは、2月からオーストラリアのクイーンズランド大学にある平和および紛争解決の分野における国際問題研究のためのロータリー・センターで学ぶ予定となっています。
「私は、自分が心の奥で信じてきたことを実現させてくれる団体、国際ロータリーを見つけました。共感の心が問題解決にきっと役立つはずです」とナイヨマさん。「ロータリアンは普通の人々でありながら、世界中で友好を深めるために偉大なことを成し遂げています」
ナイヨマさんは、平和研究プログラムが、平和を推進していく道を切り開いてくれるだろうと期待しています。
「9月11日のテロ攻撃は、非常にゆがんだ国際関係を浮き彫りにしました。外交政策に何かが欠けています。私はそれを探し出したいのです」
ナイヨマさんは、政治的な便宜よりも人々の命を大切にする「共感的な外交政策」を世界のリーダーが実現していかなければならないと信じています。
「共感的な外交政策は、思いやりの気持ちを持って紛争を理解し、解決に取り組んでいくことから始まります。一人の人間が世界を変えることは可能です。しかし、それには視点を個人的な視点から、世界的な視点に転換しなければなりません」
「2009 National Book Festival(2009年全国図書フェスティバル)」 で、最良本としてジョージア州から選ばれた「14 Cows for America」は8月1日に発売されました。ナイヨマさんは、ナイヨマさんに支払われる印税を、9月11日のテロ攻撃被害者の家族に絵本を贈るために使用するよう要請しています。